葬儀に参列している際、突如耳に入る難しい文字だらけの名前。
え?どうしてそんな呼び方をするの?と不思議に思ったことはありませんか?
こちらではそんな呼び方、戒名の持つ意味についてまとめてみました。
戒名がないとどうなる?もらわないとダメ?
そもそも戒名って何なの?
戒名とは、宗教上の呼び名として授かる名前のこと。
元々は仏門に入るため出家する時に授かるものでしたが、現在では一般の人が死後授かることの方が多くなっています。
一般的には、4構造からなる10~15文字程度のものを戒名と呼んでいますが、本来の戒名自体はたったの2文字です。
仏教のみな平等という教えから、戒名もすべての人に等しく2文字と決まっています。
一方で、かつての厳格な身分制度の名残でいわゆるランクも存在します。
生前の社会的地位やお寺、社会への貢献度によってつけられる戒名にも違いがあるのです。
戒名が必要なときと、なくてもいいとき
仏教式の葬儀や埋葬をする場合には戒名は必須になります。
仏教では、浄土(=仏の暮らしている世界)には俗名のままでは行けず、浄土での呼び名として戒名が必要になると考えています。
僧侶が葬儀により死者へ引導を渡し俗世間から浄土へ導く際には、戒名が欠かせないのです。
戒名がないと寺院で葬儀やお墓への埋葬を受け入れてもらえない可能性があります。
そのために、仏教の葬儀をする予定の方や死後に入る予定のお墓がある方は戒名をつけることになるでしょう。
戒名をつけることに抵抗がある方は、あらかじめ住職の方に相談しましょう。
逆に、仏教以外の形式で葬儀や埋葬をする方は、戒名をつける必要がありません。
例えば公園霊園を利用したり、遺骨は海や森に撒いてほしいと考えている方は、戒名をつける必要はないでしょう。
戒名って、どうやってつけるの?
基本的には僧侶にお金を払って授かるもの
戒名は基本的に僧侶にお布施を払い授けてもらいます。
戒名の相場は、低いランクで10万~30万、高いランクでは50万や100万以上と言われています。
経済的な負担から戒名をつけたくないと考える方も増えてきています。
戒名はどんなふうに決まるのか
戒名は4つの構造に分かれます。少し詳しくみていきましょう。
<1.院号>
院号は戒名の中でも最初にあることが多い、院の字がついたものになります。
これは生前寺院に寄付等の貢献をした場合をはじめ、特別なときにのみつけられるものです。
<2.道号>
道号は、その本人の人柄や性格、仕事、趣味などを元にしてつけられます。
場所や地域、物を表す文字を用い、一言でその人となりが分かるようになっています。
<3.戒名>
戒名は、一字を俗名という普段使っている名前から、もう一字を尊敬する人や仏様または経典(仏教の教えが書いてある書)からつけられることが一般的です。
先祖代々伝えられている字がある場合には、その一字を使うことも多いようです。
ちなみに、浄土真宗で法名、日蓮宗で法号と呼んでいるものは戒名のことです。
<4.位号>
位号は、戒名の位を示すためのものです。
位号は戒名の下につけられ、4構造の中では最後になる部分です。
つけられる位号は性別や年齢、地位によって変わります。
戒名を自分でつくることもできる?どうやってつくる?
基本的には僧侶に授けてもらう戒名ですが、決まりがあるわけではないため自分でつけることも可能です。
ただし、葬儀や納骨を行う寺院によっては受け入れてもらえない可能性があるので要注意。
絶対に事前の確認はするようにしましょう。
原則の4つの構造を守りながら、自分の好きな文字を選んで戒名をつくります。
「戒名を作ってみたいけれど、具体的なイメージが湧かない…」
そんな方のために、今は戒名のつけ方の本や講座などもあります。
また、著名人の戒名を調べてみるのもおすすめです。
著名人は本人の功績や人柄などがわかりやすいため、なぜその戒名をつけたのかの推測ができて勉強になるでしょう。
まとめ
漢字だらけで聞きなれない戒名。
実はそこには様々な意味が込められているのです。
戒名の意味を知ることで、「この文字がついている。きっとこんな人だったんだ」と、故人の新たな面に気付くことができそうですね。